Concept

作品の紹介

彫刻は、イメージが石という素材と一致したときに初めて作品となり、表現においてそれが力強く、またデリケートなものとなったり、様々な表情をみせるものとなります。

美術において感性や感覚という要素があります。作品に表情があってこそ、初めて彫刻がひとつの造形、そして「ことば」として生きてくるのです。

静かな時にしか捉えられないもの、自らの内にある感受性に耳を傾けることは、作者が目指している「抽象的な表現」と関わっています。

作品に接することにより、豊かさを感じる彫刻 – Sculpture を目指したいと思います。

今後の課題

制作された作品は、一定の場所の中に存在するものです。そこで僕の関心は、作品と周りの環境との関係に及びます。

例えば、日本の ”庭” はそれ自体がひとつの芸術でありますが、そこに見い出される重要な要素に ”造形美” が含まれていると考えます。それは庭の中にある個々の要素に限らず、庭全体がひとつの造形であると考えるのです。

“造形美” とは、いったいどういうものでしょうか。僕にとってそれは彫刻と、彫刻を含めた環境であり、 ”美の意識” が空間に反映される場合であると考えます。

May 2003  個展において

彫刻作品の一つ一つが “言葉” ではないかと考えています。日常の場において、親しめる作品であってほしいと思います。

町の環境を潤すために、どのような作品が必要となるのだろうか。環境に適した作品ならば、きっと場所を特徴付ける要素となることでしょう。

彫刻によって空間を創り出すこと。個体である作品は、周囲の環境へ影響を及ぼすこともできるのです。

人は常に周囲の空間と関わっており、生活空間は人の思考や意識に影響を及ぼしていると考えられます。林立するビルのもとに現在の繁栄がありますが、人の幸福度は意外と淋しいものかもしれません。

人々が親しみを覚える場所を創出するために、彫刻がその役に立てるのではないかと考えています。デッサンや模型を手掛けながら、これからも模索を続けたいと思います。

October 2007  展示

僕の作品は、過去の思い出が影響しています。

過去の経験による記憶から何かが見え始め、それらの印象が作品へと展開します。

活動を通して常に新しい経験もあり、更なる探求へと繋がります。

「石の花」展

彫刻の伝統において “自然” は重要なテーマでした。西洋のロマネスク様式、およびゴシック様式に見られるレリーフや、キャピタル(柱頭)における植物模様はそのことをよく表しています。

今回の展示は、クラシックな要素をもとに、私個人の手法を加えた作品を紹介しています。

自然には色や形を通じて表される美しい要素があり、それらは自らの考えや意識に影響しています。自然を通して表される “神秘” を明らかにすることが、作品を創作する動機ともなっています。

“Creating in stone”

In my creative work, my main pleasure is in finding relations between materials.

When the stone takes on a good form, as it becomes a sculpture, often when the work is not yet complete, I am surprised to find inspirations as if there were a secret form already hidden in the nature.

First I need to know how to use stone as a material, and then the stone itself shows me how to create a good sculpture from it.

The process of finding a clear image within myself of what I want to create, and then realising my idea in the stone is much like the journey on which I try to find out about all the things I want to know in life.

“Presentazione”

Il lavoro trasforma in opera, la mia idea quando questa trova una giusta coincidenza con la pietra.

Le mie opere possono rappresentare varie espressioni, a volte forti altre volte più delicate.

Per me le cose importanti nell’opera d’arte sono l’ispirazione e la sensibilità; l’opera trasporta in se il suo messaggio che si può condividere con gli altri, tramite il linguaggio dell’anima.

Il silenzio è fondamentale per la riflessione mentale, infatti tramite questo riesco ad ascoltare la voce del mio spirito, e per capire meglio le mie sensazioni o i sentimenti.

Questa riflessione interiore è una pedina fondamentale della mia ricerca artistica.

Desidero lavorare, perché e le mie opere possano lasciare un’ottima sensazione ai visitatori, e perché le persone possano condividerne l’emozione.

“Il mio lavoro”

Le mie opere avranno sempre bisogno di un ambiente dove saranno collocate.

Nel mio lavoro ho privilegiato il rapporto tra la scultura e la natura.

Anche il giardino tradizionale comprende vari elementi artistici e il tutto si potrebbe considerare una espressione d’arte.

Che cosa è l’arte? L’arte è la scultura e lo spazio in cui è immersa, una simbiosi tra l’anima della plasticità e l’ambiente che lo circonda per creare un sentimento condiviso.

Photo by Dagmar Kinkalová Paťhová